2012年8月22日水曜日

歩け歩けどこまでも(2)

 歩くことがこんなに面白いなんて。東京で、もっと歩いておけば
良かった。ある時、お茶の水から銀座、竹芝桟橋まで歩き、帰りは、神宮から阿佐ヶ谷まで。てくてく。ああいきがひろいやとNが言った。吐く息が白かった。それは、「あさし・ひんぶん」という関東の訛りだった。Nの家は東長崎だった。サザエさんの世界で、なんというか住宅街だった。私鉄が走っている、西武池袋線だ。長崎というと、九州しか思い出さないが、Nの家は長崎、豊島区だった。千早町(ちはやちょう)、仙川通り(せんかわ)と歩いていると、立教大学の前だった。池袋はなんだか落ち着かない街だった。やがて西武デパート地下の佃煮店でアルバイトすることになるのであった。
 

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