次の記憶はなんと水泳である
村の児童会が計画する海の日
父は 私を海の近くの戦友の家に連れて行って そこで着替えをした
浮き輪を首に 二人は かなり歩いて海水浴場へ向かったのだ
川のような 水が流れる場所を2度渡った 黒い網が干してあった
その記憶で 助かった 午後4時になると 急に雨が降ってきて
村の人は 撤収を始めたが 私の着替えがない 父もいない
父はすでに 戦友の家に戻って 飲んで寝ていた
私は 雨の中 寒さに震えながら 泣きながら 川を渡り
それでも 黒い網を横に見て 戦友の家を目指し 野良犬のように
海側から漁家の裏口へ帰ることが いかに難しいか を知ったのだ
そこで 水泳は嫌いになった いまもその時の夢を見る 小学校2年生の
母が入院中だったのだ それは「夏至」をみてくりゃれ
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