2012年8月16日木曜日

重なり合った二つのスプーン

バレーボールの試合で僕は後列の真ん中にいた。前列に上手な人がいて、球が来るとささっと下がって、ほとんど取ってしまう。だから僕の活躍する場面が少ない。これは大いに不満だった。とうとうややこしいサーブが来た。敵は僕がとれないような場所に球を出してきた。すると案の定、ささっと前列が下がって取りに来た。僕は勇気を振り絞って、前に出た。下がるものと前に行くものが重なって。それは「重なり合った二つのスプーン」になった。押したり引いたり、もがいていると審判が、笛を吹いた。そして「お前ら変態か」といった。大変なのに。

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