2013年1月2日水曜日

書初めの日

私の母は、私が正月の書き初めで墨を磨ると、
忠告しました。子供がじゃれて邪魔をしたら叩きなさい。
おそろしいな。
 私が日展入選作家、森狭江先生に入門したのは
小学校1年生の時で、畳に手をついて頭を下げました。
長続きしましょうね。その年、受賞したのは「初まいり」。
まいりの「ま」の、まるいところは、さんかくおにぎりにする
という媚びる感じがいやだった。
53年前のことです。結果は福井新聞社長賞の硯箱。
全校生徒の前で校長先生からほめられました。
我慢すれば賞がくることを知りましたが、以来、
さんかくおにぎりは書かない。受賞から遠ざかりました
大人が元気がよいと思っている太く黒々とした
紙面いっぱいの文字をみると、思い出す。
こどもは常に元気ではない、のに「元気な子」と
書かせるのは嫌いでした。筆にたっぷり墨を含ませてべたっと塗るのも、
微熱もある、書道から離れました。ガマの油売りの
鉢巻きでバケツ姿はもっといやだ。森先生は言いました
猫に墨を付けて走らせればよいのかな。
自由になるまでに50年、さすがに香典にだけは好きな書体で
自分の名前を書くことができるようになりました
60歳を超えたので、新しい表札を書いてみました

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