2013年11月30日土曜日

くもり のち くもり

土曜の朝だ
この時刻に職場の若い課長が亡くなったのだ

あれからもう
一週間たつことになる

ショパンの夜想曲を聴いていた
アシュケナージュの

ノクターン

私が死んだら
この曲をかけてほしい

だが、意味の分からない
お経で
混乱のうちに送られる
ことも大事なことかもしれない

2013年11月29日金曜日

あられがパラパラ舞って

あられが舞って
すぐに みぞれになり
もうすぐ11月は終わる

生きていれば100歳の父はいつも
わしゃあ 上原謙に似ている
村の女性グループに小学校の
校庭で言われ
自慢だった
そういうことを思い出した朝だった
まあ いい男だった
鼻筋などは ね

そうなると私は加山雄三になるだ

また雪が降る
冬が忘れずやってくる
やつらは 気まぐれに
そして まじめにやってくる

2013年11月27日水曜日

スポーツマンの心臓は

スポーツマンの心臓は
鍛えられているから
心臓には毛が生えていると思う

キリンは血圧が高いらしい
首が長く
頭が高いから
そこまで血液を運ぶには
心臓に相当負担がかかる
とテレビで見た

あなたも背が高いけど
バレーで鍛えてあるから

木曜日にそういう会話を交わした

かれは土曜の朝に亡くなったのだ

2013年11月25日月曜日

風の強い日の別れ

木曜日に笑っていた
十歳若い職員
土曜の朝に
亡くなってしまって

困った
さみしい
とにかく
心筋梗塞だというが

どうしていいかわからない

残った子供たちは
飛び跳ねていたが

何とも悲しい
どうすればよいか

通夜と葬儀を終えて
風が やたら ふき抜ける

2013年11月22日金曜日

ボジョレーヌーボー

秋の終わりに赤ワインが
飛行機でやってきて
日本の人たちは
ボジョレ
ボジョレと
叫ぶ

ヌーボーぬーぼ
若いころフランス映画で
ヌーベルバークだったか

ヌーボロマン
だったか

新しいという
意味だった

新鮮なボジョレー
好むのは日本人だけという
人もいて

京都で
美味しい料理に去年の
ボジョレーが出て
寝かせれば
うまいものだと
知った

2013年11月20日水曜日

長浜の鴨 幻想編

うまいものの代表といえば
長浜の鴨

琵琶湖のそばを通りながら
なるほどと思った

湖面は鴨だらけ

その鴨がおそらく
京都の九条ネギを背負い

亀甲マンか
ヤマサか
ヒゲタか
いずれにせよ
甘口のしょうゆを
頭にふりかけながら

我も我もと
大きな鍋を背負って
押し寄せてくる

あぶない
鴨とり権兵衛さんが
隠れているぞ

琵琶湖の日曜日の
夕暮れである

2013年11月10日日曜日

秋雨たとえば

雨宿り
雨傘
雨靴

あまやどり
あまがさ
あまぐつ

雨降り
大雨
長雨
あめふり
おおあめ
ながあめ

秋雨
氷雨
あきさめ
ひさめ

梅雨
驟雨

ばいう
しゅうう

時雨
しぐれ

2013年11月9日土曜日

落ち葉の秋に

ケヤキの落ち葉を
熊手で集めて

庭の隅に積んで
来年の土を作る

ケヤキの匂いが
土に染まる
あたりは材木置場のよう

ぬかを入れて
草を入れる

セージ
ローズマリ
ミント
伸びすぎたハーブを刈って
混ぜると
不思議な匂い
さらさらの黒い土ができる

春になれば畑に入れる
秋の終わりは
鶏ふんを混ぜて
きんもくせいくんに
ごちそうする

2013年11月7日木曜日

秋が深まっていく

秋が
落ち葉の秋が

深く
冬に向かっている

私はそろそろ
ソバ打ち
はじめようと思う

こねて
切って
湯掻いて

食べる
だいこんと
昆布
かつおぶし

歯に優しい
ああ あの おそば

打ってみようと思う
貴族的ではなく

飢えをしのぐ食として

2013年11月3日日曜日

白山比咩神社に行く

今日は明治節
明治天皇のお誕生日
だから
良い天気で
石川県白山市の白山神社の総本山
白山比咩神社に行く

祭神
白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)
菊理媛尊(くくりひめのみこと)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
伊弉冉尊(いざなみのみこと)

神紋は
「三子持亀甲瓜花(みつこもちきっこううりのはな)」
六角の亀甲の形を七五三に配した三つ子持ち
三条の構えの中に瓜の花

良縁
めでたい亀
子持ちというところ
ですね


七・五・三の集団にも会いました
紋付羽織の子供たち
まあ保守的でしたが

立ち寄った田んぼの中の喫茶店
大工集団でケヤキを駆使して
好い雰囲気を醸している
机上にエッセーが1冊置いてあり
上品な文章で引き込まれた
こういう人が教養のある人だろうと
帰り際に「ありがとうございました」と
主人がはっきり言った
はっきり聞こえたのに
僕は返事ができなかった

青葉茂れる桜井の
杉野はいずこ
文化の日でしたが
いろいろと考えさせられる日でした