玄関の戸を拭く
正月の飾りを取り付けて

縁側のガラスを拭いて
ついでに雨戸にホースで水をかけて
びちゃびちゃ
叱られる
静かにしていると思ったら
こんなことをして
仕事を与えられる
掃除機をあてがわれる
コンセントが不調で スタートしない
掃除機を ひっくり返すと 通電する
どの 時点で通電するか
ゆっくり ひっくり返す
45度で 通電する
なにか わからない
きっと 実験は こういう感じ かな
原因不明
センサーを 拭くと勝手に回りだす
つまり掃除機だと馬鹿にしていると
とんでもない 高度な機械に 成長している
子供のころのように 掃除機を回していると
ふすまの向こうから また遊んでいる
はやく 車庫を掃除して
車は 洗ったの
子供のころのように 叱られて ばっかり
明日は お正月
今年も
深夜
寒さに震えながら
年賀状をしたためる
いろんな事に気が付いた
元気です
今年もよろしく
頑張りましょう
書いてあるのに
四人が亡くなっている
なんということか
雨の中 うつむいて郵便局へ行く
きちんと 市内 県内 県外
輪ゴムでまとめて
震えながら窓口に行く
年賀状はこちらへ
と書いてある
上下も裏表も ない
きっと機械が高速で
読み取るのだろう
そういうものだろう
マリアナの七面鳥撃ち
インパールの英軍の機関銃
機械が感情を無視して
元旦に届けるのだろう
しかし二日ほどでどのように仕分けして
正月にコトンと届けるのだろう
やはり機械が偉いのかもしれない
今朝
橙色の空が
見えた
朝日だ
きれいなものだ
あの光は宇宙を超えて
この惑星に
降り注いでいる
太陽の光だ
母が毎朝 手を合わせて
拝んでいた
しあわせに なりますように
子供たちが 元気で
育ちますように
あれだ
私も 手を合わせてみる
私も母の亡くなった年齢に
まもなく追いつく
手を合わせてみる
手のひらに朝日がこぼれる
こまったな
もっと若いはずだったのに
いい加減な気持ちで
ずいぶん年をとった
セルフのスタンドへ
灯油を買いに行く
うまく買う人
下手な人
力いっぱい買う人
ひと缶だけの人
軽トラいっぱい買う人
夫婦協力する人
田舎の石油ストーブの老夫婦が
正月用に
油がなくて 戦争になったと聞いた
日本は包囲されたので
南方へ資源を求めに進出して
米英と衝突したと
学校の先生が言った
ABCD包囲陣という
あの戦争の本当の原因は何だろうか
歩の頭に角を置いたというあの説
挑発されたという説
世界の覇権に乗り遅れるなという説
今、灯油は金を出せば買える
しかし変な車の後ろに付くと
いつまでたっても 終わらない
今日も失敗だ
爺さんがシートをかけた荷台全部が
灯油の空き缶だったから
じっと待っているが みんな怒っている
業務用なら別の日に買えばいいのに
爺さんは知らん顔
そんな爺さんの後ろに付いた
お前らが あほだ と
笑っている
約束の忘年会に行く
いろんな話が出る
しかし
25年も
毎日同じ建物にいたのに
なぜ一度も
忘年会をしなかったのか
する必要がなかったのだ
する意味がなかった
というべきか
近況報告より
自分で作った腐葉土に
きゅうりを植えた話
屋根を直した話
子供が子供を作った話
が面白かった
暗い夜道を歩きながら
しみじみ
健康でありたい
そう思った
心も体も
天気も大事だが
こちらの心も
大事
大抵のことは
処理する能力があるが
ふと弱いところを突かれると
もろい
夕焼けを見たり
雷に震えたり
食品売り場で泣いている
かわいい
男の子を見ると
この子がどういう一生を送るのか
などと
ついつい考えてしまう
どうでもいいことだ
どうにもならないことだ
それで
大福がよいか きなこ餅がいいか
みたらしだんごにするか
迷う
道路は凍っているから
ゆっくり走る
若いころ 寝坊して
なんだ こんな 道
それ それ そっれ と 走って
勤務先の敷地に入って
やれやれ安心 すると
坂道で急に車が下りてきた
ブレーキを踏んで
相手は とても軽い車で
対する私は
中古のカブトムシ
とても固い車だった
がしゃあああん
と飛びついて
あいては ぐちゃぐちゃ
上司の息子が震えながら出てきた
なんで こんなスピードで走るのだ
わなわなと唇を震わせて
えらいすんまへん 怪我ないですか
ちょっと滑りました
あとで上司に呼ばれ
息子と衝突したって本当か
馬鹿もん
まあそういうわけで
雪の日は早く出て
ゆっくり走る
すると若い奴が びゅんびゅうん 抜いていく
路面はつるつるに凍っている
若い奴は わからないのだ
雪道の恐ろしさ
を
こんな朝に走るやつは
本当に馬鹿もんだ
もっと早く起きて
ゆっくり走ったらどうだ
ばかもん
昔の雪はもっと
軽かった
と思う
最近はやたら重くて
水ばかり
べたっとして
それでも気温は下がっていて
雪が舞う
のではなく
雪が降り積もる
感じですが皆さんは
いかがですか
もうすぐお正月ですね
はやく こいこい
お正月
伏見稲荷にお参りしてから
御所に行って
本因坊の発祥の場所やら
新島襄の旧居やら
うろうろ歩いて
寺町通 ニイハオ チャーハン
下御霊神社の提灯のマークが
私の家紋と一緒だった
私は 丸におもがた
神社は 丸がなかったから
罪びとの怨念を抑える
神社だという
かみさんは嫌がって
あんたの家紋と同じだ
ああ怖い怖い
走って
私は隣の 革堂(こうどう)へ
鹿狩りにいって
子をはらんだ母鹿を殺して
申し訳ないと鹿の革を着て
というお寺
私はカッパを着て
西国19番へお参り
ヤッケを着て
が正しい
補陀落や岸打つ波の那智熊野
青岸渡海寺から33番まで
ただ最初に参ったのが
33番の最後の寺 谷汲山だった
ナマンだぶ
往生安楽国
踏んだ雪
うすくて
しかし滑る
くるまはのろのろ
しかしですよ
うっかり走ると
信号が赤で
交差点で とまれない
すると右折の車が
ざあっと回って
もう少しで
当たるところ
危ない危ない
休みの日には
うまいコーヒ
飲みたい
外は真っ白
ガタガタと
雨戸は揺れて
雪だ
真っ白な道路
荒れてきたぞ
新潟も雪らしい
秋田も雪らしい
酒のうまいところは雪が降る
温泉のいいところは
雪だ
荒れてきたぞ
まあいいや
この雪が
夏のお米に良い
のだそうだ
知らんけど
そうかもしれぬ
そうなんだろう
昨日と今日
にわの木に
腐葉土を根っこに施しました
1年かけて作った
腐葉土
5時間かかりました
鶏糞
石灰
こめぬか
やりました
腰はびっくりして
まだ痛みは出ませんが
今は夜中
BSのインパールを
見終わったところ
将校は生きている
兵は死ぬ
おじいさんとおばあさんが
住んでいました
おじいさんは山へ芝刈りに
おばあさんは川に洗濯
ドンブラこと大きなモモが
流れてきました
おやまあ大きい桃だこと
今日は真珠湾に日本軍が攻撃した日
戦争が始まった日だ
その準備
分刻みで爆弾を落とす
魚雷を投下する
何日も前から練習して
爆弾がうまくいかなかったら
なんて眠れないだろうな
父はビルマの戦争
インパール 傷だらけ 何とか生還して
僕を作った
おばあさんが
大きなモモから生まれたのよ
お前は
といったので
今も桃を見ると
これに入って流れてきたのか
と思ってしまう
あわててタイヤを冬用に替えた
初めて
タイヤ屋さんで
交換してもらった
これまでは
ガレージで
冬の楽しみだった
男らしいなあ
と自画自賛していたのに
まあ2軒隣がタイヤ屋さんで
親切で交換が終わると
そおっと車を運んでくれて
鍵をちゃあんと
ある場所に入れてくれて
そのほうがいい
ぎっくり腰で動けないより
それより ユズの木に
石灰と鶏糞 根に腐葉土を
冬を暖かく
春を迎えるために
と思っている今日この頃
寒波 寒波 と
怖がる癖がついたな
張り切って起きて
畑に出て
ふた畝 起こす
草も取り
きのうの ぬかを 腐葉箱に
来年の たい肥作り
新しい畑に たっぷりの腐葉土
ついでにワイヤープラント 植え替え
お昼
駅前のコンサート遅れると大変
はしだのりひこ が 亡くなった
パーキンソン病だとか
寒かったが
加川良の歌を聴いた
加川良も亡くなったとか
加藤和彦も遠藤賢司も
畑に客土して
ぬかをまいて
大喜びの日曜日
ぬか喜び
開演前に同じビルの
市立図書館に行った
私の詩集を触ってきた
ちょっと うれしかった
息子が3歳の時に書いた絵
があった
求めて市内の精米機を捜した
ぬかを持ち帰ることが可能な設備が
スーパーマーケットの後ろにあった
ドアがあり簡単な錠がある
きのうPCで見つけた
持ち帰ってもいいよ
袋に詰める
ふくろを2枚持参して
ちりとりで入れて
その袋を外側から くるむ
するとトランクも ぬかだらけにならない
スーパーの客からは
近所のおじいさんがいるぞ
漬物のために米ぬか取りに 来ているぞ
私も爺になって
ぬかみそ臭くなる
師走だ
古い洋食店だった
外観はまあまあ
しかし店の中は相当くたびれて
机もフォークもスプーンも
自分の机しか
使っていない感じだった
出てきた料理は まず前菜で
生マグロの 中トロ うまかった
ぽたーじゅ その後 何時間も味わった
カニがメインで 素晴らしかった
コーヒーもケーキもうまかった
店を出るとき考えた
どうして店は 近代的に
きれいにならないのか
同じ人が延々とやっているから
新鮮にならないのだな
しかし同じ夫婦が長年 やっているから
味はいいのだ
どうしたものか
そこで考えた結論
私が我慢してこつこつ
通うしかない
外は寒かったが何もかも自分の
思い通りにはいかない
当たり前だが
強情すぎるのだ
わたしが